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初当選への道

降りた。

岡山の駅でただ降りるだけなのに、なんだか戦場に降り立ったような気さえした。
こんなに悲壮感を持って電車を降りたのは初めてだった。

到着した夜、私はまだ諦めきれずに、ついに思い切って父にこう言った。

「お父さんは日本新党での出馬は考えないの?今、すごく勢いがあるのに・・・。」

すると父は、ほんの少し顔を上げて静かに言いきった。

「仕事っていうのは命がけでやるもんだ。ちょっと風向きが変わったからといって旗を巻いて逃げる奴らの、何が政治家だ。」

父の顔つきは静かで言葉はむしろ穏やかだったが、その言葉の重み、凄みには圧倒されるものがあった。

それは、はじめて見た父の政治家としての顔だった。

一体私はこれまで父のどこを見ていたのだろう?
これまで私が知っているのは、温かくて冗談好きな優しい父だった。
でも、この言葉。この峻厳さ。

これが政治家としての父 熊代昭彦の決意なのだ。


出陣式の朝がやってきた。

事務所の前にくまれたか朝の空気をびりびりと震わせるように、父の決意表明が続いた。
「それではくましろ昭彦、精一杯走ってまいります!」

どっとあがった場内を埋め尽くす拍手の中、一礼して父は選挙カーに飛び乗って走りさっていった。


ほんの少し前まで、選挙カーに乗るなんて恥ずかしい、選挙のハチマキなんて最低、と思っていた自分はどこかに消え去ってしまっていた。

はじめて気持ちの上でも「政治家の娘」になった瞬間だった。


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